道 具

products

東北に伝わる仕事着「山シャツ」。

むかし野良や山仕事をするときに着ていた仕事着「山シャツ」という服がありました。
形はシンプルな詰襟の長袖シャツで、野良や山仕事の時に着られていたものです。

暮らしに必要なものは自分たちで作るのが当たり前だった時代。山に入って木を切ったり、畑を耕したり、糸を紡いで布を織ったり、暮らしていくためには毎日たくさんのしごとがありました。
土地のほとんどが山である東北の地では、山の中に入ってする仕事も多かったでしょう。

仕事着にはさまざまな形があって、山シャツもその暮らし方の中で生まれた衣服の一つでした。

詰襟やカフス付きの袖は今もよくあるシャツの形ですが、この形だと首回りや手首回りに隙間が少ないため、作業する時に木屑や土が服の中に入りにくく、体を守ることができるのだそうです。
布は自分たちで織った麻の布を使うことがほとんどでしたが、麻の布は目が粗く、夏は涼しいけれど
冬の厳しい寒さにはつらかったので、寒さから身を守るための工夫がされました。

刺子をしたり、生地の端切れをつぎはぐように重ねたり。そうすることで暖かくなり、生地の補強にもなっていました。
昔着られていた山シャツは、当時の暮らし方に寄り添った衣服でした。

現代の暮らしの中で、毎日山に入って作業をするという暮らしをしている人はそれほど多くないでしょう。
また体を守るために服を着ているという感覚は、今の暮らしの中ではなかなかないかもしれません。
しかし昔も今も変わらずに私たちの根っこには「服を大事に長く着ていきたい」という考え方があります。
それは縁日が大切にしていきたいこと。

東北の人々が昔、生地をつぎはぎしたボロとも言われる服を長く大切にしていたのは、ひとえに貧しかったからだけではありません。
長年着た服には愛着があり、継ぎ足す生地の一枚一枚には願いを込めて、親から子へと引き継がれていくものでした。
縁日で作る服も、長く愛着を持って着られるものでありたい。
流行に左右されず、一生かけてお気に入りにしていきたくなるようなそんな1着。

山シャツや昔の服にある工夫は、体を守るためだけでなく、服を補強し長く着るための工夫でもありました。
そんな工夫を取り入れて、一生着ることができるような丈夫な服を目指し、作られたのが縁日のYAMASHIRTです。

暮らしの中で擦れやすい部分に、布を重ねて、永く丈夫に。

YAMA SHIRTは、荷物を背負う肩の部分、曲げ伸ばしの多いひじ、擦れやすい袖口と裾の部分など、暮らしの中で擦れやすい部分にあらかじめ当て布をすることで補強をし、長く着続けられる丈夫なシャツに仕立てています。当て布の上から施した見た目にも印象的なステッチは、より生地を丈夫にするためのひと手間です。
後ろ身頃は前身頃よりも丈が長く、座ったときにちょうど裾がお尻にかかるくらいの長さになっています。
生地は中厚手の丈夫な綿麻キャンバス。シャツジャケットのようにも着られるしっかりとした生地です。
見た目よりも柔らかな着心地で、たくさん着ていくうちに体に馴染んでいきます。

袖口の締まり具合を調整できるよう、カフスにはボタンを2つ付けました。ボタンは手触りの良さから木製のものを使用しています。
左胸にスマホが入るくらいのポケットが一つと、腰の両脇にサイドポケットが2つあり、胸ポケットのフラップはポケットの中にしまうこともできます。

土地の色を纏う、ウルシ染め。

岩手県産のウルシノキを使用して染めた草木染め。
ウルシノキは、漆塗りに使う樹液を採った後は切り倒され、その木材はなかなか活用し切れていないという現状があります。山の恵を無駄なく使うため、ウルシノキを製材するときに出る木屑を活用しました。
ウルシノキが持つ色をじっくり煮出し、落ち着いたブラウンに染め上げています。


YAMA SHIRT

昔、東北で仕事着として着られていた山シャツ。昔も今も変わらずに私たちの根っこある「服を大事に長く着ていきたい」という考え方から、縁日のYAMA SHIRTは作られました。暮らしの中で擦れやすい部分にあらかじめ当て布をすることで補強をし、長く着続けられる丈夫なシャツに仕立てています。当て布の上から施した見た目にも印象的なステッチは、より生地を丈夫にするためのひと手間です。

size:S-L
color:生成、黒、漆

購入ページ