5月の節句といえば、端午の節句。5月5日「こどもの日」ですね。
端午の節句は、家族みんなで子供の成長を喜び、これからの健やかな成長に願いを込めて節目を祝う日です。
親戚の子供たちも集まり、初節句をお祝いするなど、家族や親族の絆を確かめ合う良い機会にもなります。
今では医療も発達し、子供が生まれたら当たり前に大きくなるように感じますが、en・nichiの道具を作っている京屋染物店の創業当時(約100年前)には、スペイン風邪が流行したこともあり乳児の死亡率はなんと18.9%。。(現在は0.2%ほど)
100人の赤ちゃんの内、およそ19人が生後間もなく命を落としました。
子供たちの健やかな成長は、今ほど当たり前ではなかったのです。
日本人は大切な子供たちの健やかな成長を強く強く祈念して、端午の節句の行事に願いを託していました。
いつも成長を見守ってくれる鍾馗さん。
我が家の端午の節句には、毎年『鍾馗さん』の旗を掲げます。
鍾馗さんが描かれたこの幟旗は、、先代の父が染めた旗です。
鍾馗は中国から伝わった邪鬼を払い、疫病を防ぐ神様です。日本には室町時代から伝わり、子供の無病息災を願う端午の節句を通して日本文化に馴染んで行きました。
強くてカッコイイ鍾馗さんが大好きで、幼い時からずっと私のヒーローでした。
子供の時から当たり前に『鍾馗さん、鍾馗さん』と『さん付け』で呼んでいたのも、鍾馗さんは神様でありながら、とっても身近な存在だったのだと感じています。
この鍾馗さんの姿が、父にもとてもよく似ているのもその理由かもしれませんね。
父は他界して、この世にはいませんが毎年この鍾馗さんの旗を見るたびに、家族の愛をとても近くに感じます。
今では私たちの子供を優しく見守っていてくれる存在です。
時を越えても家族の愛が伝わっていく、日本の風習をこれからも大切にしていきたいですね。
皆さんも大切な家族と共に、素敵なこどもの日を過ごしてくださいね。