YAMA SHIRT -山シャツ-をつくる <2>

2022.01.13

こんにちは。

1月15日にリリース予定の「YAMA SHIRT-山シャツ-」製作のあれこれを、前回からお届けしています。

今日はそのつづき、後編です。

 
前回の記事はこちら

YAMA SHIRT -山シャツ-をつくる <1>

 

昔、東北で着られていた仕事着のひとつ、「山シャツ」。

その山シャツの形と、ものを長く大切に使ってきた先人たちの知恵を借り、

“長く着続けること”を考えたen・nichiの「YAMA SHIRT」を作ることにしました。

 

YAMA SHIRT製作 <その2>

 

長く着続けられる服にとって大事なことは何かと考えたとき、一つは“丈夫さ”だと思いました。

 

服は着るたび消耗していきます。

私たちの体が動いた分だけ、着ている服も動いています。

よく動く箇所は生地が擦れて、少しずつ弱くなってしまう。お気に入りでたくさん着ている服ほど、はやくよれよれになってしまいますよね。

 

そこで、私たちのYAMA SHIRTは、服の弱くなりやすい部分にあらかじめ当て布をして補強をすることにしました。破れたところをお直しで補強するのではなく、破れないように最初から補強しておく。お直しの先回りです。

 

補強の仕方で参考にしたのは、庭師の職人さんが着る半纏。

 

袖口部分の生地が二重になっていて、その上からステッチをかけています。このステッチはただの飾りじゃなく、重ねた生地の上からステッチを入れることでより生地が丈夫になります。

枝の剪定など、手先をよく使う庭師さんの腕と服を守るためにされる補強です。

 

 

この当て布とステッチでの補強をYAMA SHIRTに取り入れます。

 

例えば荷物を背負う肩の部分、曲げ伸ばしの多い肘、擦れやすい袖口や裾。

生活する中で負荷がかかりやすい部分です。

そこに当て布とステッチで補強を入れることに決め、サンプル製作を進めました。

 

▲ 肘の部分の当て布にステッチをかけているところ

▲ サンプルを試着して、形を修正していきます

 

長く着続けるために大事にしたいもう一つのことは、“着心地のよさ”。

丈夫な服だったとしても、着心地が悪ければそもそも着たいとは思えません。

特に今回は丈夫さという視点から生地を少し厚手のものを選んでいたので、パターンに少し余分な部分があると着たときに生地がもたついてしまいます。

 

動きやすく、着心地に違和感がないように。見た目も綺麗に着られるように。

毎日たくさん着て、お気に入りの1着としてどんどん服を育てていって欲しいから、

パターンの一つ一つを微調整しながら試作を重ねました。

肩のラインに傾斜をつけようとか、袖付けをあと何センチ落とそうとか。

 

作っては直し作っては直しの試作に奮闘しながら、

そうしてこだわり抜いてやっと完成したのがYAMA SHIRTです。

 

時間はかかりましたが、その分納得のいくいものができました。

 

完成したYAMA SHIRTの魅力は、もうすぐ公開される商品ページでもっと知っていただけたらと思います。

皆さんのお気に入りのシャツに、このYAMA SHIRTも仲間入りさせてもらえたら嬉しいです。