山ノ頂のアイテムは、野生の鹿の皮で作られています。鹿革はレザーの中のカシミアと呼ばれており、きめが細かく柔軟性があり、使えば使うほど手に馴染んでいく素材です。野生で生きた鹿の皮は、雑木林を駆け回ってついた傷やオス同士が喧嘩をしてつけた傷があります。一頭一頭の鹿のストーリーを感じて欲しいという思いから、山ノ頂のアイテムは傷をあえて隠していません。
鹿革には独特の結合繊維により、他の革よりも軽く、水や摩擦に強く何年経っても劣化しにくいと言われています。今回は、山ノ頂のアイテムをより永く、愛着を持って使っていただくために鹿革の経年変化とお手入れ方法についてご紹介いたします。
■鹿革の経年変化について
鹿革は水や摩擦に強く、通気性もあるため永く使い続けることができます。皮膚の組織に皮脂を多く含んでおり、また柔軟性があるので、毎日のお手入れがほとんど必要ない素材です。下図は1年以上使い続けた製作サンプルのTESAGE炭色(左側)と新品のTESAGE炭色(右側)です。左の方はほとんどお手入れをしていませんが、鹿革の柔らかさは今も健在です。経年変化により色に深みが増し、よりヴィンテージ感のある変化が見られます。
■お手入れ方法について
表面の軽い汚れが気になる方は、適宜ブラッシングすると表面の汚れを落とすことができます。革の乾燥が気になる場合は、無色の本革用クリームを使用してください。
革とクリームとの相性が合わない場合がございますので、クリームを使用する際は少量ずつ目立たないところからご使用ください。
下図は端の一部に革用クリームを使用したものになります。クリームを使用すると革が脂成分を吸収し色が濃くなります。また長い間お手入れしていないものだと、吸収しすぎることもありますので、クリームは少量ずつお使いいただくことをおすすめします。
■鹿革が濡れてしまった場合
水に強い性質を持つ鹿革でも長時間濡れたままにしておくと、革が水を吸収し、濡れた部分がシミや汚れの原因になることがあります。濡れてしまった時は、乾いた布で水気をよく拭き取り、風通しの良いところで陰干ししてください。
また革用の防水スプレーもご使用いただけます。
防水スプレーを使用する際は、スプレーの注意事項をよく読んでからご使用ください。また噴射距離が近かすぎるとシミになることがありますので、目立たないところからご使用ください。
■汚れてしまった場合の対処方法
ほこりや軽い汚れなどはブラシで落としてください。また表面についた黒ずみは消しゴムで落とせる場合がございます。アルコールを含んだ汚れ落とし等は、シミや汚れの原因になりますのでご使用しないでください。
鹿革は使えば使うほど、手に馴染み、経年変化が楽しめる素材です。革なのでどうしても汚れやシミなども付いてしまう場合もございますが、どんな風に経年変化をたのしむか、楽しみ方もそれぞれです。愛着を持ってあなただけの鹿革アイテムに育ててください。